【SquarespaceとWix の比較】料金、各種機能まで徹底比較!

Squarespace と Wix は、どちらも世界で上位のシェアを誇る、ノンコードで手軽にWebサイト制作が出来るCMSサービスです。

CMSサービスはそれぞれに特色があり、どのようなサイトを作りたいか、サイト制作の知識がどれほどあるか、予算がどれほどか、などによって最適なサービスは異なってきます。                                                                                                                                                              

本記事では、 Squarespace と Wix 、それぞれの料金や機能、使い勝手などを多角的に比較していきます。それぞれの強み・弱みまで詳しく解説していくので、ぜひツール選びの参考にしてみてください。

Squarespace と Wix それぞれの概要

Squarespace は、洗練されたデザインテンプレートがウリの、初心者でも簡単に見栄えの良いWebサイトが作れるCMSサービスです。日本での知名度こそ高くありませんが、海外ではピクサーのHPがSquarespaceを用いて制作されるなど、今大注目のサービスでもあります。日本のユーザーがまだそれほど多くないことから、サイトのデザインが被るといった心配がないことも強みと言えるでしょう。

Wix は、スタータープランが無料であることから、多くのライトユーザーを抱えるCMSサービスです。一方でサイトのカスタマイズにもかなりの自由度があるため、独創的なサイトを制作したいユーザーも受け入れることができます。Squarespace と同様に、ノンコードで手軽にWebサイト制作を行えるので、初心者におすすめのサービスでもあります。

二つのサービスは価格帯、機能ともによく似ていますが、得意とするサイトの方向性や、サイト構築の自由度、手軽さなどの点で明確な違いがあります。以下では、それらについて詳しく比較していきます。

デザインの手軽さと自由度

Webサイト制作において、サイトのデザインはプロモーションの観点から最も重要な要素です。Squarespace と Wix はどちらも、コーディングの知識がない初心者でもスタイリッシュなサイトが作れるサービスですが、両者の差はどこにあるのでしょうか。

Squarespaceのテンプレートの一例。眺めているだけでも楽しい

まず、デザイン面でより初心者に優しいサービスと言えるのが、 Squarespace です。Squarespace は100以上のプロが設計したテンプレートをすべてのプランで選択することができ、それらはどれを選んでも非常に見栄えのよいものです。テンプレートのクオリティは、Wix 以外のCMSサービスと比較しても頭一つ抜けています。しかも、それらは全てスマートフォンやタブレットなどにレスポンシブ対応しているため、基本的にはモバイル対応をユーザーが行う必要はありません。

その点では、 Squarespace に一日の長があると言えます。欠点は、洗練されたテンプレートゆえに、変更できる箇所が限られていることです。

Wixのテンプレートの一例。1,000近い数のテンプレートが用意されている

Wix にももちろん数多くのデザインテンプレートが用意されていますが、Wixの強みはこれらをかなり自由に変更できることです。これは、より独創的なサイトを制作したい場合には大きなアドバンテージとなります。一方でその自由度ゆえに、モバイル版への対応はユーザー側での調整が必要になるケースが少なくありません。Squarespace のテンプレートには変更できる要素に制限があることでこれをクリアしているので、この点に関しては一長一短と言えるでしょう。

また、Wix の強みとして、ADIツールと呼ばれる、AIを活用したデザイン補助機能を提供していることも挙げられます。このツールは、簡単なアンケートへの回答に基づいて、自動的にサイトのデザインを作成してくれるものです。もちろんこれには多くの場合修正が必要ですが、一からデザイン案を考える必要が無くなる、という点で有効です。

デザインの観点から見ると、両者はそれぞれ異なる特色を持っているため、どちらが優れている、と言うのは困難です。あなたがどんな見た目のサイトを制作したいか、デザイン作業にどれくらい時間を割けるか、などを考慮して選択する必要があるでしょう。

SEO機能の強力さ

Webサイト制作において、SEO対策は、サイトを検索エンジンの上位に表示させるために必要不可欠な要素です。SEOに適切な設定が施せるかどうかは、サービスがどこまでSEOに介入できるかによって左右されます。

結論から述べれば、このSEO機能の強力さについては、両者ほぼ互角であると言えるでしょう。いずれも、ページごとのタイトルやディスクリプションの設定、カスタムURLの割り当て、Googleアナリティクスを利用した分析(Wix の無料プランには付属せず)など、SEO対策に必要な機能は一通り備わっていると言えます。もちろん、検索上位を獲得するためには各種項目の適切な設定が不可欠ですが、それらのスキルさえあればいずれのサービスを使用しても問題はないでしょう。

また、SEOにおいてはページの読み込み速度も重視されるポイントの一つとして知られていますが、この点についても両者に明確な差はありません。

ブログ機能

Webサイトの用途として、必ずと言っていいほど上位に挙げられるのがブログとしての利用でしょう。個人的な備忘録から企業の情報発信まで、ブログは今も昔もポピュラーな表現方法の一つであると言えます。そしてこのブログを運営するにあたっても、CMSはその助けとなるツールです。この点について、Squarespace とWix を比較してみましょう。

ブログにとって大事な機能の一つが、コメント機能です。コメントはブログの読者と交流するため、読者からのフィードバックを受けるために必要不可欠な機能ですが、この点についてはSquarespace が Wix を上回っています。Wix はブログの投稿にコメントを残すためにアカウント作成が必須ですが、Squarespace ではアカウント不要でコメントをすることができ、かつスパムなどに対応するため、新しいコメントを表示する前に確認するモデレート機能も備えているためです。

同様に、ブログ運営の利便性を高めるその他の機能についても、投稿のスケジュール機能やポッドキャストとの統合機能等が標準で搭載されているSquarespace に分があると言えるでしょう。

メンバーエリア機能

次に比較するのは、サイトにメンバー限定エリアを設定する機能についてです。メンバーシップ料金を支払っているユーザー、もしくはアカウントを所有するユーザーを対象に、メンバー限定のコンテンツ配信や商品の販売を行うために必要なのがメンバーエリア機能です。前提として、これはSquarespace と Wix のどちらも備えているものです。

しかし、このメンバーエリア機能は、Squarespace では有料オプションである点には注意が必要です。どのプランを契約しているかにかかわらず、月$9~ の追加料金を支払うことで、高度な設定を行うことが可能になります。一方でWix は、有料プランであれば同様の機能を追加料金なしで利用することができます。ただWix は、メンバーエリア内でEC機能を使用するためにビジネス&Eコマースプランのいずれかを契約していることが必須であることは留意しておきましょう。

バックアップとストレージ

使用可能なストレージという観点では、Squarespace は全ての有料プランで無制限のストレージを提供している一方で、Wixはプランによって3~50GBという制限があります。これは、多くのユーザーにとってはそれほど大きな差ではないかもしれませんが、サイズの大きい写真を多用するような場合においては、Wix のほうが高価なプランを選ぶ必要があるという点でSquarespace が優勢です。

一方で、動画のアップロード可能な長さに関しては、Wix が勝っています。Squarespace では全プランでアップロード可能なビデオストレージが計30分に制限されていますが、Wixでは最安のベーシックプランでも30分、最上級のVIPプランでは無制限になります。ただ、多くの場合動画はサイトに直接アップロードするのではなく、YouTubeやVimeoといった外部サービスとリンクさせる形で使用されるので、どうしても直接埋め込みたいといった場合以外では大きなアドバンテージにはならないかもしれません。

また、Wix ではWeb サイトのコンテンツが自動的にバックアップされるため、バックアップを忘れてデータを紛失することはありません。対するSquarespace は、ユーザーがコンテンツを手動でバックアップする必要があるため、注意が必要です。

価格の比較

まず、それぞれの料金プランについて整理しておきましょう。

Squarespace

より詳しいプランの解説はこちら

Squarespace には4つの料金プランがあり、価格は$16~49/月(いずれも年間プランでの料金)です。どのプランを選んでも Squarespace 最大の特徴である魅力的なテンプレートをすべて利用できますし、無制限のストレージ、強力なSEO機能、24時間365日のカスタマーサポートなど十分な機能は揃っています。

料金プランは後から変更可能なため、はじめは最も安価な Personal プランから始めてみるのも、すでにサイトの構想が固まっている場合やコードを利用した個性的なサイトを作成したい場合は、Business プランから始めてみるのもよいでしょう。

ECサイトとしての利用を考えている場合は、規模の大きさや販売の形態などを考慮し、Buisiness ~ Advanced Commerce プランの中から自分に合ったものを選択することになります。

Wix

Wix は、有料プランが大きく2つに分かれており、少し複雑です。1つはEC機能を除いたほとんどの機能を提供するホームページプランで、もう1つはEC機能およびアカウント機能等が利用できるビジネス&Eコマースプランです。その2つの中には前述した通り無料プランもありますが、今回比較対象になるのは無料プランを持たないSquarespace なので、無料プランについては割愛します。

Wix ホームページプランの料金表

ホームページプランの料金表

ホームページプランの実質的な最安値は、900円/月です(最安は500円/月のドメイン接続プランですが、こちらは性質上本記事の内容から外れるので除外します)。Wix もSquarespace と同様、どのプランを選んでもすべてのテンプレートを利用できますし、強力なSEO機能、24時間365日のカスタマーサポートなど必要十分な機能が備わっています。最も高価なVIPプランへアップグレードしていくと、帯域幅やデータ容量が増加していきます。多くのユーザーにとっては、ベーシックまたはアドバンスプランで十分でしょう。

Wix ビジネス&Eコマースプランの料金表

ビジネス&Eコマースプランの料金表

一方でビジネス&Eコマースプランは、ホームページプランの基本的な機能に加えて各種EC機能を利用可能にするプランです。こちらもSquarespace 同様、高いグレードではサブスクリプション機能や複数の通貨への対応など、より高度なサイト運営が可能になります。こちらでは必要な機能に合わせて、1,800~3,800円/月の3つのプランから選択することになります。

料金の直接比較

それでは、ここでSquarespace と Wix で競合になり得る同等のプランを例にとって、価格と機能の比較をしてみましょう。

ECサイトとしての利用を計画していない人にとって、それぞれで最も経済的な選択はSquarespace でPersonal プラン($16/月)、Wix ではベーシックプラン(900円/月)になります。これらは機能に多少の差異はあるものの、テンプレートを活用して広告のないサイトを制作するための十分な機能はどちらにも備わっており、多くのユーザーにとってはこのプランで十分だと思われます。

その価格に注目すると、現在のレート(2023年1月)ではSquarespace がおよそ2,000円/月、Wix が900円/月と、Wix の安さが目立ちます。アメリカでは、Wix のベーシックプランはSquarespace と同様の$16/月という価格設定なので、日本においてのみ価格でWix が有利な状況です。円安傾向が続く中でWix も多少の値上げを行っていますが、それでもかな り安価な価格設定になっているという状況です。ただ、Wix のベーシックプランは使用可能なストレージ容量が3GBと限られているのに対し、Squarespace は全てのプランで無制限に容量を使用できるため、この上限に達するようなサイトの場合、Wix ではより上位のプランを選択する必要が発生し、コストの差が埋まる可能性があります。

また、小規模なECサイトを作成する際に最も手軽なプランとなるのが、それぞれSquarespace ではBusiness プラン($23/月)、Wix ではビジネスプラン(1,800円/月)です。日本円に換算して比較すると、Squarespace がおよそ3,000円/月、Wix が1800円/月と、こちらもWix の安さが印象的です。

しかしここで注目すべきは、基本のプラン料金に追加で発生するコストです。例えば、Squarespace のBasic Commerce プラン以上では、ギフトカードを販売したり、在庫僅少の通知を設定したりできますが、Wix でこのようなことを行いたい場合、別途で有料アプリが必要です。アプリの価格設定はまちまちですが、安くて450円、高くて15,000円以上の設定です。

また、Squarespace のBusiness プラン以上では、Google Workspace のビジネス用メール アカウントが1つ提供され、ドメイン名付きのメールアドレスを1年間無料で利用できます。一方でWix は料金に同様のサービスが含まれていないため、ドメイン名付きのメールアドレスを取得するためにはGoogle Workspace のBusiness Starter プラン等を契約する必要があります。これは最もGoogle Workspace で最も安価なプランですが、それでも月額680円が発生します。

確かにプラン単体で見ると価格は明らかにWix に軍配が上がりますが、こうした追加のコストを踏まえると、用途によっては総合的にSquarespace のほうが安価で済むというケースも少なくないでしょう。もちろん、Squarespace にも追加のコストが発生するようなケースは存在します。そのため、どちらが一概に価格面で優れているとは言い切れません。必要とする機能やサービスがプラン料金に含まれているのか、含まれていなければ追加でどれほどのコストがかかるのか、という部分をきちんと計算し、最適なサービスを選択してください。

まとめ

Squarespace と Wix はどちらも、ノンコードでWebサイト制作を行うための優れた選択肢であり、いずれも個人用のホームページから大規模なオンラインストアまで、多彩なニーズに対応できるサービスです。

どちらを選択すべきかは、制作したいサイトのイメージと、内容によって異なります。もしブログ記事を主力のコンテンツにしたい場合はSquarespace を選択すべきですし、とにかく低コストでサイトを運営したい場合はWix のほうがより良い選択肢になるでしょう。

また、コンテンツの量が多くなることが見込まれるなら、Squarespace が無制限のストレージを提供していることには注目すべきです。一方でSquarespace は2023年1月現在で日本語UIが用意されていないので、どうしても英語が苦手だという人は、公式に日本語対応しており、日本語フォントも標準で用意されているWix のほうが適しているかもしれません。

ここまで本記事で比較してきた項目を参考にしながら、より自分に合ったサービスを選択してくださいね。

Kyriosでは、Squarespace の料金プランや使い方に関する相談を随時受け付けています。何かご不明な点がありましたら、お気軽にこちらからお問い合わせください。

Previous
Previous

【SquarespaceとWordPress の比較】料金、各種機能まで徹底比較!

Next
Next

Squarespaceの日本語対応|日本語化は可能?日本語フォントは使用できる?